今年も特Aヒノヒカリを最高の旨さに育てる稲作に挑戦します
六年連続で特Aランクを獲得している奈良県のお米「ヒノヒカリ」。全品種の作付け割合でもコシヒカリ、ひとめぼれとともにベスト3に入る今や美味しいお米の代表品種となりました。よく言われるお米の食味は「一に品種、ニに作り方」。

自分はこのただでさえ旨いヒノヒカリという品種を、さらにブッチギリで旨いお米に仕上げる作り方に毎年挑戦してきました。それはもちろん今年も継続中で昨年を上回る旨さのお米に挑戦したいと考えています。ただし、キレイで旨いお米を収穫するためには量は期待できません。超ベテランで米づくり名人の方ならともかく、今の自分に味と量の両方を求める力量はございません。

ですから、量は捨てました。少ししか収穫できなくてもいいんです。私のお米は出荷していませんので。自分の家族と親せきと知人・友人とあと毎年決まって買ってくれる人の分さえとれればいいので、量は求めずとにかく安全で美味しいお米づくりに奔走しているのです。

美味しいお米とは具体的に・・?

美味しいお米の定義=カルシウム、マグネシウムなどミネラル分の含量が多く、タンパク質の含量が低い
ヒノヒカリはただでさえこのような傾向にある品種なのですが、この特性にさらに磨きをかけてゆくのが作り手である自分の仕事だと考えています。では、どのように作るのかと言いますと、下の表をご覧ください。

これだけ違う、私のこだわり稲作

一般の農家私の場合
稲作の目標収穫量食味と安全性
稲作方法農協指導V字型稲作井原豊氏提唱への字型稲作
使用する種籾前年収穫分を取り置き使用する方が多い毎年、農協からヒノヒカリの種籾を購入
苗づくり和洋折衷苗代プール式育苗
元肥料高度化成肥料や元肥一発肥料初期は何も入れず中期に必要に応じチッソ分を追加
田植え時期水が来るとなるべく早く田植え周りより遅く、出穂75日前に田植え
植え方坪70株の密植坪30~35株の疎植
地域により異なるが、奈良盆地の場合概ね吉野川分水を利用地下水、養殖池
除草初期・中期・後期で除草剤を使用人力頼り。ひたすら生えてきた草を手で抜く。さらにジャンボタニシを利用し効果を上げる。
中干し夏の土用の頃に水を抜いて強く干す軽い中干し
穂肥料高度化成肥料や油粕、元肥一発肥料の肥効もあり何も入れない
稲刈り1日でも遅く、粒が最大に肥大化したタイミングで稲刈り適期より早く、青米が混じるほど早めに稲刈り
乾燥ライスセンターへ持ちこむ、或いは昼夜かけて一気に乾燥三泊四日かけてゆっくり乾燥。ハザかけ米のイメージで

本やDVDを読み漁り、ネットも講演も聞きまくって、失敗も何度か繰り返しながら行き着いたのが現在のこのやり方です。でもこれがベストだとは思っていません。さらにもっと良い方法を模索しながら今年も取り組んでゆきます。

でもね、私のこんな作り方に興味はあってもだーれも真似はしないんです。なぜなら儲からないから(笑)
そりゃそーですね・・ 周囲の方々に比べて手作業は多いし、収穫量が少ないですから。

しかしまあ、農協指導型のまわりと同じことやってても面白くないし、これでいいと決めてます。田植えも終わっていよいよ本格スタート、今年もやったります!

水と空気が綺麗であれば美味しいお米に産地は関係ありません。一に品種、二に作り方。品種はヒノヒカリ。六年連続特Aランク獲得中の最高品種。つくり方については他の農家さんとは相当違います。収穫量を完全に捨てて、味と安全にこだわりまくった私のお米づくりをご覧ください。
おいしいお米は、一に品種、二につくり方。こだわりまくりの私の稲作