令和三年、2021年 今年は苗にこだわる奈良県発の無農薬への字稲作
昨年は全国各地でトビイロウンカによる稲作への大被害が発生し、それはここ奈良県においても例外ではなかった。穂が出た直後から坪枯れが発生し、幾日も経たないうちに田んぼ全体がまっ茶に枯れる田んぼが続出する中、我が家の稲たちは被害無く無傷で収穫を終えた。収穫した籾の品質についても例年に劣ることなく十分に満足できる収穫となった。
これらの事は現在自分が取り組んでいる「無農薬への字稲作」の有効性を立証すると同時にこの稲作方法を提唱なされた故 井原豊先生に心より感謝を申し上げたいと思いました。

現在一般的に主流となっているつくり方は昭和二十年代に収穫量増大を第一目標として、化学肥料や農薬を多用することによって穂の数を増やす方法である。ようするにいかに労力をかけずして大量生産するかを求めたつくり方である。

時代は完全に変わったと思う。世間は味と安全性を求めている。だから自分はたとえ収穫量が減少しようとも、「より稲の生態に合った栽培」を求めてゆく。

今年の稲作テーマは「苗」。恐ろしいほどに元気な根を持ち、ガチガチに硬い針金のような茎を持つガッチリした健苗を植える事。強靭な苗ならば病気にも害虫にも負けない、夏の暑さにも屈しないから理想的な稲作が可能となり、秋には安全で美味しい実をつけてくれるはず。

しかし、年々年を追うごとに夏場の体力がキツくなってきた。「今年が最後になるかも知れない」そんな思いで悔いを残さない稲作に努めたいと思います。楽しみに待ってくれている人もいることだし、もう少し頑張ろう。