令和三年の稲作 | への字成育のようす
令和3年7月4日(日)、田植えから約2週間が経過した田んぼの様子。慣行農法をされている左側の稲とはハッキリとした差がついてきました。

2021年、田植えが終わってからの初期への字稲作

ほっとけない、気が抜けない。気温上昇で加速する雑草たち

令和三年の稲作 | への字成育のようす
田んぼ雑草の主役「ヒエちゃん(田犬稗)」です。早くもわがもの顔で大きく手を広げてまわりの稲たちに圧力をかけてきています。ピンク色に見えるのはジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が産み付けた卵です。

令和三年の稲作 | への字成育のようす
コンクリートの上に運んできて完全に枯死させないとどこにでも根付きます。確かに迷惑で邪魔なやつとはいえ生き方として見習うべきところの多い植物。動きが早くてしぶとく、環境の変化にも柔軟で本当にタフなやつです。

茶色く濁った田んぼと透明で美しい田んぼ

令和三年の稲作 | への字成育のようす
我が家の田んぼは常に茶色く濁っていて透明になることはありません。濁りの原因はカブトエビをはじめとして無数の生き物が動き回っているからです。この虫たちを食するためにカエルも鳥もたくさんやってきます。この茶色く濁る水面下では自然界の食物連鎖が常に起きているようですね。

令和三年の稲作 | への字成育のようす
比較対象として慣行農法を行っているお隣さんの田んぼです。水は無色透明でとてもキレイですが見る限り生き物はほぼいません。イネの葉先が茶色くなっているのは除草剤による薬害ではと自分は推測します。

あらゆる生き物を味方にしたい。できればジャンボタニシでさえ味方に

周辺では躍起になってジャンボタニシの駆除をしておられます。が、自分は一切しません。駆除どころか味方につけて除草を助けてもらおうと期待しています。確かに田植え直後で深水になっている場所は稲を食べられてしまう食害もありえますが、そうなりにくいための太くて硬い苗づくりをしてきました。田んぼを生き物だらけにしてトビイロウンカの幼虫をも食べてもらえる様にと願っています。

雨の後はかならず田んぼの点検

雨上がりは田んぼの点検
農家にとってこの時期のまとまった雨はありがたいものです。なぜなら減った水をわざわざ入れ足す作業が省略できるから。

雨上がりは田んぼの点検
しかし、嬉しい事ばかりでなく雨水が原因で水尻が崩壊し、そこから水漏れが発生することもしばしば。ですから雨が止んだら長靴に履き替え、鍬を持って点検にまわる。必要に応じて水口と水尻の修繕をするのは鉄則なんです。

自分は昼間は勤めに出ていますので、もっぱらお母さんがこの役目を行ってくれています。雨上がりの後って意外と忙しいものなのです。

田植え後三週間で圧倒的な差となりました

田植え後三週間で隙間が無くなった超過密なお隣さんの田んぼ。良く育ったと本人は満足気に話すが、本当にそうなのでしょうか?風が通らず光も入らない。稲たちにとって決して良い環境とは思えないですね。
田植え後三週間で隙間が無くなった超過密状態なお隣さんの田んぼ。良く育った、ええ田んぼになったと本人は満足気に話しておられるのですが、本当にそうなのでしょうか?風が通らず光も入らない。植物にとって健全な環境ではないと私は思います。これだけ密集すると横には広がれなくなり、行き場の無くなった稲たちは上へ伸びるしかなく背の高い稲姿へと変化してゆき、待っているのは倒伏しかないように思うのですが、毎年のことながら。
同時期の同品種とは到底思えないほど寂しい西川の田んぼです。への字農法を始めた頃は本当にこんなんで良いのか不安でしたが、今は逆に安心感を持てる景色となりました。目に見える部分は寂しくても稲たちは養分を求めて深く深く根を伸ばしてます。周りの田んぼよりもはるかに深く。
同時期の同品種とは到底思えないほど寂しい西川の田んぼです。への字農法を始めた頃は本当にこんなんで良いのか不安でしたが、今は逆に安心感を持てる景色となりました。目に見える部分は寂しくても稲たちは養分を求めて深く深く根を伸ばしてます。周りの田んぼの稲たちよりもはるかに深いところまで。この深さが秋にはモノを言う。病気や害虫に強い農薬要らずのためには大切なことではないかと考えております。

への字追肥

への字追肥
令和3年7月13日、出穂47日前になりましたのではじめての肥料散布を行いました。田んぼごとの環境の違いにより肥料が殆どいらない田んぼ、少しだけ散布する田んぼ、ガッツリ肥料が必要な田んぼがあります。このあたりのサジ加減が難しいのですが、自分の中では少し足りないくらいが適正だと考えており、入れ過ぎて肥料過多になる事だけは無いように注意しています。投入量は主に稲の葉色を見ながら判断するのですが春にすき込んでいる有機物の分解が進んで後から効いてくるのでこのあたりの判断がなかなか難しい。追肥はエンジン式の動力散布機を背負って行いますが、これがなかなかの重労働。肥料20Kgに機械の重さが約15Kgで35Kgを背負って、長い筒をかかえて泥の中を歩きます。しかも暑い時期のことなので、水分休憩を取らずに無理をすると一撃熱中症です。翌日、全身筋肉痛なのは毎年の事。

我が家の稲たちにとっては生涯一回きり。これが最初で最後の肥料となりますが長く深く伸ばした根のおかげで秋まで健全に成長を続けてくれます。

畔の草刈り

夏本番ともなると雑草の発芽ペースも上がってきて田んぼの草取りとともに畦の草刈りもほぼ毎週のスケジュールとなってきます。こと畦の草刈りについては気に入って近年ずっと使っているお気に入りのチップソー(刈払機の刃)がこちらです。

三陽金属 水際の達人
アマゾンで税込み1,500円ほどだったと思います。三陽金属さんの「水際の達人 No 0399」です。特徴としては直径15.5センチの小ささで、大きな面積を刈るにはまったく向きませんが、狭い場所とりわけ畦のような土が柔らかくて水が多い場所には抜群の使いやすさなんです。普通のチップソーだと土に食い込んだり、刺さったりしがちなうえに水しぶきが飛んでくる事も大いにありますが、これだとかなり軽減されますので躊躇なく水の中にも回転刃を突っ込めます。

大きさの比較
左側の一般的なチップソーに比べてこんなに小さいんです。
草刈機に取り付けた状態
この小ささを生かして稲と稲の間にはえた草を刈るのも簡単です。小さいが故にエンジンパワーも求められないので排気量の小さな軽い草刈機を使えるので体力的にもラクです。切れ味にも不満はありません。コンクリート際に生えてる草などもコンクリートに当てて火花を散らしながら刈りますが全然大丈夫。かなりチップも強靭で自分はワンシーズンこの一枚だけで使いとおしています。因みに今までチップ飛びは一度もありませんでしたが角が取れて丸くはなってきます。チップをサンダーで削れば切れ味が復活するのでしょうが値段が安いので自分は一年で取り換えています。
水際の達人デラックス
最近、同社より「水際の達人DX」というもう少し大きなサイズも発売されているようですが、私は使ったことはありません。畦ばかりでなく畑など広範囲に使用するのであれば良いのかも知れませんね。

中干し直前からの中期への字稲作

令和3年7月20日、出穂40日前を切り我が家のへの字稲たちもようやく勢いづいてきました。人間にたとえるなら中学・高校生。一生のうちで最も成長が旺盛な状態で葉の色も黒く見えるほどに濃い緑で周辺の田んぼとは明らかに違います。現在、暦では土用に入り、田んぼはまもなく中干しに入ります。

ゴリラのガッツポーズ姿、稲が開帳してきました

力強さが増してきたへの字稲
力強さが増してきたへの字稲。初期の寂しい姿がウソのような野性的で活気のある状態となりました。
ゴリラのガッツポーズ姿
ゴリラのガッツポーズ姿と言われる開帳したへの字稲。下の方には生まれたての赤ちゃんタニシがいっぱいくっついています。これからもどんどん茎数が増え開帳度合いもアップしていきますが、この姿のおかげで常に株元まで光が差し込みます。風も通るから病気とは無縁と言われています。
こちらはお隣さんの従来農法による稲姿。チッソ切れなのか葉色も急に落ちてきました
こちらはお隣さんの従来農法による稲姿。初期は勢いづいてたのですが、今は下葉が枯れてきました。

中干し

中干し 田んぼの水を抜きます
令和3年7月25日、田んぼの水を抜いて中干しをスタートしました。

年間でも最も暑いとされる夏の土用に田んぼの水を抜いて土を乾かすのが中干し(土用干し)とされ、主に稲の成長を調節するために行うもので具体的な意図は下記の四点。

  1. 土の中にあるメタンガスや硫化水素など有害ガスを抜く
  2. 根の活力を高めるために土の中に酸素を補給する
  3. 水を落とすことによって窒素を中断させ、過剰な成長(分けつ)をおさえる
  4. 土を固くして、稲刈りの作業性を高める

一般的にはこのような目的のために中干しを行うと言われていますが、自身の感想としては④以外は本当かな?というのが実感です。確かに秋の稲刈りを行うために土を硬くするのはよくわかるのですが、それ以外の効果ってあんまり関係ないような気がします。かなり以前に中干し無しで栽培したことがありましたが、土が柔らかすぎて作業性が悪い以外は特に差が無かったです。中干しの目的や効果って田んぼの性質や栽培方法によって変わるのかも知れません。

中干し
連日の猛暑で予想以上に乾いて少し心配です。次に水が来るのは立秋となる8月7日以降です。せめて夕立でも降って欲しい。

中干し終了して入水

中干し終了して入水
東京オリンピックの閉会式となる令和3年8月8日、中干しを終えて約2週間ぶりに水を入れました。おそらく根は水根から畑根に変わっているはずなのでこの先刈取りまで水を入れたり抜いたりの間断灌漑でやり過ごす予定です。

周辺では中干し後の水入れ後一斉に肥料散布(穂肥)が始まりますが我が家は量を求めず食味だけを重視したへの字稲作につき最後まで肥料は一切無し。土中の有機物分解を頼りに光合成のみで成長を続けてゆく事になります。

穂が出てからの後期への字稲作

おおよそ8月末から9月頭にかけて稲のお産である出穂がはじまります。穂が出たあとはひと月半後の稲刈りに向けて登熟してゆきます。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉通り、次第に湾曲した姿になってゆき、収穫を迎えます。

出穂がはじまりました

出穂がはじまりました
令和3年8月29日、出穂のはじまりを確認しました。
出穂がはじまりました
まわりの田んぼでは出穂が完了しているので我が家はスローペースですが、一本一本穂を出してきています。

穂が出そろいました

出穂完了
周辺の田んぼから遅れること数日、ようやく穂が出そろってくれました。

毎週草刈り必須です

毎週草刈り必須です
いよいよ忙しくなってきました。害虫の寄りつきを防止するためにも周辺の雑草を常に短く維持する必要があります。

これから稲刈りまで毎週の草刈りが必要になります。それにしても秋口の草はよく伸びます。

出穂後10日経過

出穂後10日経過
令和3年9月12日、出穂後10日を過ぎて穂先が少し湾曲してきました。本日も草刈り、彼岸花が咲いて秋らしくなってきました。

今年は稲刈りが遅くなりそうです

稲が色付く
令和3年9月23日 秋分の日、「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り日中はまだまだ暑さが残るものの朝晩は涼しくなってきました。稲も次第に緑から茶色へ変化はしてきていますが、例年よりはその色付き具合が遅いように感じます。今年は稲刈りのタイミングが例年より遅くなりそうです。

台風16号 それてくれ、頼む!

台風16号 それてくれ
このまま来ると最接近が10月頭だとか。これは最悪のタイミングです。まだまだ海水温も高くて大きくなるらしいです。なんとかこのタイミングでこっちへ来るのは避けて欲しい。