稲が成長するうえで必要とされる3大養分はチッソ、リン酸、カリ(カリウム)で、特に成長や食味(お米の美味しさ)と関係が深いのはチッソだと言われています。
このチッソを与える量やタイミング次第で美味しくなったり、まずくなったりすると言えます。
他にもマグネシウムなどのミネラル分も食味に影響するといわれていますが、特にチッソに関しては出穂2週間前あたりからの土中のチッソ含量が味の決め手になってくるのです。
実りの時期までにチッソ分がきれいに消化できてしまわなければお米がまずくなるどころか、稲の病気も出やすくなってしまいます。
「への字型稲作」というのは、チッソの効き方が右下がりに落ちて行く様を「へ」の字にたとえているわけですが、出穂までにチッソを消化させて、健康な稲を育て、食味を上げることが可能なのです。
これに対し、慣行農法のV字型は、V型の字のごとく、はじめにたくさんチッソを与えて早いうちに稲の成長を促し、出穂前後からまたどんどんチッソを右肩上がりに効かせて行くという「への字型」とは全く逆の理論です。
そもそも「V字型稲作」は農薬の進歩と共に確立したもので、後半のチッソ過多は稲の病気につながりますが、そうした病気を農薬で防げるようになってから、「V字型稲作」が日本全国で一般的な稲作技術となった訳です。
一般的にこのV字型では食味は良いとは言えませんが、お米の収量が増えるというメリットがあります。
V字で量を取るか、への字で質(味)を取るかということになりますね。
